地底世界シリーズ7 ペルシダーに還る
エドガー・ライズ・バロウズ著/佐藤高子訳

 ディヴィッド・イネスが長く留守にしていたサリに帰ってくると、ペリーが新しい発明品を見せようとうずうずしながら待っていた。
その発明品は飛行機だったが、その初テスト飛行は散々な結果に終わった。
その後ディヴィッドは再びサリを発ち、ペルシダー帝国の視察に向かった。
ペリーはその間に今度は気球を完成させ、初の人間を乗せての飛行には美女ダイアンが乗り込んだ。
気球は見事に空を飛んだが、ロープを巻き上げ機に結びつけるのを忘れるというペリーの致命的なうっかりによって、ダイアンを乗せた気球は何処かへと飛び去ったのだった。
 一方ペルシダー帝国に属するカリに到着したディヴィッド達は、まずはカリの王に使いの疾風のホドンを送る。
ところがカリはすでに敵対するスヴィに占領されており・・・。

 相変わらずの地を駆け海を進み、更に本作では空をも舞台にした大冒険が繰り広げられる。
そういうのはまあ毎度のことなのだが(笑)、今回は登場人物の誰も彼もが活き活きとしており、特にカリの王の娘オー・アアのキャラクターが最高で、口は回るし頭も回るし気風はいいし、しかし彼女を守ってホドンが戦っていると必ずその間に逃げ出してしまうという困った娘で、本作の主人公はほぼ彼女だと言っていい。
彼女以外にも人喰いで150歳のアメリカ人海の男(笑)や、いかにもな悪役かと思いきや頭のいいところを見せて仲間になるかと思いきや情けなさすぎて見捨てられる某国の王(笑)と、更にはすっかり女王の風格を備えた美女ダイアンも大活躍して、火星シリーズの最盛期並みの面白さで展開する。
地底シリーズは主役のディヴィッドの影が薄くてもう一つ盛り上がりに欠けるところがあるのだが、本作は大満足の内容だった。
そして相変わらずのもう堪忍してと思わされる危機また危機と愛し合うカップルのすれ違いの繰り返しに読者はもんどり打つのだが(笑)、本作で面白いのはハヤカワ文庫版と創元推理文庫版とでラストが大きく異なるというところ。
というのも創元推理文庫の方は元々連作短編だった本作の最後の作品の訳出の権利が得られなかったのだ。
化夢宇留仁の読んだハヤカワ文庫版では創元推理文庫版に収録されている最後の話ではとんでもないところで終わっており、いったいどうなっているのかと創元推理文庫の方も確認してみたのだが、あちらは最後は一応ダイジェストを付け加えてなんとか大大円に持ち込んでいた(笑)
しかし最終章は上記のオー・アアが1人(と1匹)で奮戦して大活躍する話でもあるので、やはりハヤカワ文庫版の方が満足度は高いと思う。
ただし相変わらずこちらはイラストが適当で、表紙のカヌーに乗っている動物はイヌ科だとはっきり本文で書かれているのに、やっぱりジャガーみたいなネコ科の動物に描かれている。
ちゃんと読んでから描けよ(汗)
 ちうわけで地底世界シリーズを読み終わった。
上記の通り主人公の影が薄いのと、最初に大いなる脅威として登場した爬虫類のマハール族がさっさと退場してしまったのが残念だったが、おおむね面白く読めた。
しかしやはり散漫なところも目立つので、もしバロウズに挑戦してみようという人がいるなら最初に読むシリーズとしてはお勧めしにくいと思った。

20260514(mixi日記より)
20260605


ウルトラマン 第22〜23話

第22話 地上破壊工作
 

実相寺昭雄監督
 科学特捜隊パリ本部からアンヌ隊員が日本支部に到着。
ハヤタは国際宇宙開発軍のロケット操縦の技術指導のためにパリへ派遣される事になり、彼女とともにパリへ飛んだ。

 
 彼らが出発したのち、東京上空は黒い虹が現れ、電波や電話が通信障害によって不通に。
調査結果は原因不明だったが、その発信源はなんと科特隊基地だった・・・。

 

 
 雰囲気があって夜のテレスドンとの戦いもかっこよく、ここぞというときの止め画など実相寺監督らしい手腕も光り、名作と言っていいと思うのだが、やはりあの目のメイク(?)だけは酷すぎる。
あれさえなければエピソード全体のレベルが底上げされたと思うんだけどな〜〜〜。
それとフラッシュビームの閃光が地底人たちをひるませるという描写はもちろん全く納得がいかない(笑)

第23話 故郷は地球
 
実相寺昭雄監督
 東京で開催される国際平和会議のために各国から続々と要人が東京にやってくるが、奇妙な透明な壁のようなものに遮られる事故が多発する。
透明な何かが邪魔をしているという前提で、イデが透明な物体を可視化する3種類の光線を開発。
その結果異星人のものらしきUFOが発見された、ビートルの攻撃で撃墜された。
ところが身体中がひび割れているような姿の怪獣が現れ・・・。

 

 
 前半の展開に全く覚えがなく、何の話だったのか見当もつかなかったのだが、件の宇宙飛行士が出てきてこれだったか!と膝を打った。
確かに子供の頃に観ていても前半は難解で印象に残らなさそう。
宇宙飛行士の悲劇が有名だが、実は実相寺監督らしい演出が目立つエピソードでもあり、特に夜のシーンのライトの使い方などは常人では考えつかない演出で、引き込まれる。
とりあえず化夢宇留仁もパリ本部の判断を支持する(笑)

 

20260517(mixi日記より)
20260606


セロ弾きのゴーシュ
高畑勲監督

 町の活動写真館の楽団である金星音楽団は10日後に開かれる音楽会で披露する第六交響曲の練習を続けていたが、セロを担当するゴーシュはミスばかりして楽長に叱られていた。
家に帰って練習を続けるゴーシュだったが、そこに突然トマトを持った猫が訪問し・・・。

 昔からそこそこ好きで、ビデオで何度も観ていたのを数十年ぶり(?)に見直してみた。
台詞回しなどからおおむね原作に忠実に作られていると思うのだが、そのせいか主人公ゴーシュの性格や動物に対しての話し方などが今の目で見ると偉そうすぎるのが面白い。
猫可哀想(笑)
作品としては全編美しい(?)音楽と雰囲気のある画が流れ、約1時間というのもあってなんとなく流すのにちょうどいい。
これと同じような位置づけの作品に「銀河英雄伝説 わが征くは星の大海」がある(笑)

20260518(mixi日記より)
20260609


伝説巨神イデオン 第10話 奇襲・バジン作戦

 
 ソロシップが亜空間からデスアウトした先は、またも未知の惑星だった。
その惑星のクリスタルのような物質でできた森に着陸し、修理を始めたソロシップだったが、バッフクランはソロシップに生体発振器を取り付けており、その位置を正確に把握していた。
 カララの姉ハルルに叱咤されたアバデデは、このままでは男がすたると単身ドグ・マックでソロシップ攻略に向かう。
というのも彼は2年前のこの惑星の調査任務に参加しており、その特殊な生態系にソロシップ打倒の手段があるのを知っていたのだ・・・。

 
 化夢宇留仁が映像を観る順番はある程度決まっており、次はイデオンとわかっていたのだが、ここしばらく体調が優れず、そんな状態でイデオンを観るとますます体調が悪くなりそうだったので(笑)、しばらくあとまわしにしていたのをやっと観た。
結果このエピソードはいつもよりは人間関係のギスギス感が少なくて助かった(笑)
 見どころはいくつかあって、とりあえずお色気シーンがあるのはもちろん(笑)、初登場の見るからに性格が悪そうなカララ、よき家長であるアバデデの描写、そして相変わらず終わっている性格のシェリル(笑)
化夢宇留仁的にはお色気シーン以外では(笑)、やっぱりドグ・マックの活躍(?)シーンが印象的で、やはりあの機体のデザインは面白い。
そしてアバデデ様は化夢宇留仁は大好きだったのに残念(汗)
 ところで前回まともなのはカララだけと書いたが、人間側の指揮官クラスで一番まともなのは実は軍人のベスである。
普通は一番の悪役にされそうな軍人が一番まともというのは、富野の独特の感性だと思う。

 

20260523(mixi日記より)
20260610


ボーダーランズ
イーライ・ロス監督

 兵士らしき男が病院のような場所に捕らわれていた少女を助け出す。
 賞金稼ぎのリリスは巨大企業アトラスのオーナーから、惑星パンドラに連れ去られた彼の娘を救出する依頼を受ける。
パンドラはリリスの故郷だった・・・。

 最近体調があまりよろしくなく、何も考えずに観られる気楽かつCGバリバリの派手な映画という条件で本作を観てみたところ、まさに条件ピッタリの内容だった(笑)
原作のゲームは未プレイなのだが、それで特に問題になるところもなかった。
ノリ的には「フィフス・エレメント」を雑にしたような(笑)感じで、そういうところも化夢宇留仁の好みに合った。
テンポも非常によく、100分をさくっと観られる。
 内容に対してキャストがあまりにも豪華なのも見どころだが、その中でもなんと言ってもリリス役のケイト・ブランシェットが他作品では観られない表情やアクションを満喫できるのが興味深い。
なにしろ他作品では悩む余地のないような役柄が多いので(笑)、悩んだり困ったりするケイトが見放題なのは希少価値(笑)
そしてガンアクションはしっかりかっこよく、スタイルも抜群で決めポーズが決まるんだこれが。
仲間になるロボットはジャック・ブラックが声を当てており、なかなかうざくてちょっとジャー・ジャー・ビンクスくさい(笑)
 作品としての評価は散々で、ラジー賞にずらりとノミネートされているが、ストーリーの面白さなど、真面目に名作を求めないなら100分間を十分に楽しめる良作だった。

20260530(mixi日記より)
20260612


ハレンチ学園
丹野雄二監督

 本日聖ハレンチ学園は卒業式だったが、卒業生たちはやる気ゼロ。
教師たちは緊急職員会議を開くが、そんなところに教育委員が視察にやってくる・・・。

 などと普通にストーリーがあるかのように冒頭のあらすじを書いてみたが、この映画にはストーリーと言えるものは無い(汗)
展開はあるが、そこにドラマツルギーと言えるものはなく、全ては混沌が支配している。
 化夢宇留仁が期待するのはもちろん「ハレンチ」要素だが(笑)、これがまた斜め上に突っ走っていて、いわゆる普通のお色気要素は皆無であるにも関わらず、なんだか淫猥な雰囲気が全編をおおっており、そこに唐突に女子のパンツをはいたお尻がどアップで目に飛び込んでくるなど、どう受け止めていいのか全くわからない(汗)
しかし当時でしかなし得ないまさに独特で反社会的なパワーのようなものが化夢宇留仁を捕らえて離さないのだった(汗)
とりあえすジュウベイ役の児島美ゆきが展開の内容も相まって可愛い(笑)のだが、それさえもあまりの展開の混沌さに吹き飛ばされている感がある。
そしてうつみみどりがまたすごい。
 この映画が普通に脚本を書いて、普通に撮影され、普通に編集されて1本の作品として完成した過程自体が信じられない。
なにをもってOKとして、なにをもってNGとしたのだ?
ちうか永井豪の頭の中がこうなのか?
そうだとしたらマジの天才かマジのキチガイだぞ(汗)

20260603(mixi日記より)
20260613


BACK 記録&感想トップ NEXT

HOME